- ニュースホーチミン
- 2021/04/07
経営塾第16期生の開講式が行われました。
2021年4月5日(月)ベトナム日本人材開発インスティチュート(VJCC)ホーチミン校にて、経営塾第16期の開講式が行われました。経営塾とは2009年に開始された日本式経営の研修で、10ヶ月間に渡りベトナム企業の経営者を育成するプログラムです。現在、ハノイで年2回、ホーチミンで年1回、ハイフォンで年1回の計4コースが行われており、これまで約700名450社の卒塾生を輩出しています。
本来は昨年10月頃に開講の予定でしたが、コロナの影響で開催が遅延していました。しかしながら、今期も計29名の元気なベトナム人経営者たちの参加により計10か月の長期研修が無事開始される運びとなりました。
今回の参加者のうち、半数以上が裾野産業の方々で、その他は、小売業、研修事業、農業等、様々な業界の経営者が集まりました。年齢的には、20代から50代まで、平均年齢39.5歳の熱意溢れる方々で構成されています。
本開講式に当たり、グエン・ティ・ヒエンVJCC所長からは、特に、コロナの流行により、多くの企業が倒産等の危機に陥る中、経営塾企業の多くが同塾で学んだことを活かして、元気に売り上げを伸ばし、この危機的状況を克服している多くの事例が報告されました。このことは、経営塾生たちが、本研修から、会社運営上の様々な課題や危機に対する対処方法や問題解決手法をしっかり学んでいるからに他なりません。
また本事業パートナーであるJICAを代表して、JICAホーチミン事務所の増田首席駐在員からは、経営塾が「日越式」ビジネス教育の新たな拠点となっていくことへの期待と「ウィズ・コロナ」「ポスト・コロナ」を見据え、VJCC、特に経営塾が果たして行く役割が今後ますます大きくなっていることに対する期待が述べられました。
また、主賓として、在ホーチミン日本総領事館の渡邊信弘総領事が以下の通り、祝辞を述べて下さいました。
「ベトナムは、昨年来のコロナ禍でもプラス成長率を記録した数少ない国の一つであり、今年もプラスの経済成長率を維持することが予想されている。ホーチミン市をはじめとするベトナム南部はベトナム経済の牽引役であり、日系企業の進出先としても依然として高い人気を誇っている。今後、ベトナムが引き続き高い競争力を保つうえで、優れた経営者・管理職人材の育成は不可欠であり、特に日本式経営・日本企業の知見をもったビジネス人材は、当地における日系企業のビジネスパートナーとして今後ともニーズが高まっていくものと思われる。その意味からも経営塾には大変期待している。」
ベトナム側からは、経営塾の卒業生を代表し、地場企業ロイヤル・グループの人事管理部長であるグエン・ティ・ホアン・クイン氏から祝辞を頂きました。クイン氏は、自らの経営塾生として学んだ経験を元に、会社の成長もさることながら、自分自身がとても成長できたこと、また同じ期で学ぶ同級生たちとの交流を通じて、お互いの企業の成長を支援し合うことができた点が大変有意義だったという実体験を共有して下さいました。
これらの祝辞に対し、第16期生それぞれが来場者に紹介された後、第16期生を代表し、研修機関を経営するレ・ホン・フオンさんから、返答スピーチがありました。第16期生29名それぞれが、今後の学びに期待し、初心を忘れず、お互い協力・支援し合いながら、日越両国の経済・社会に貢献できる人材になるべく努力を続けるという強い意思が表明されました。
最後に、VJCCプロジェクトの唐澤チーフアドバイザーより、閉会の挨拶として、コロナの影響で約2年ぶりとなるホーチミンでの新規コースの開講を嬉しく思うこと、ウィズ・コロナの環境下でも付加価値の高い研修機会の提供を約束すること、コロナ禍を乗り越えようとする経営塾参加者とVJCCの取り組み・決断が、本研修をより意義のあるものとし、大きな成果をもたらすものであることを期待し、関係者一同に対し、引き続きの支援を依頼し閉会となりました。
最後に、全員で記念撮影を行い、第16期生たちは開講式後、早速、戸田長作講師による、第1回目の講義「Build Today for Tomorrow」(オンライン授業)に参加しました。同初回講義は5日間行われます。塾生たちは、今後約10か月間、苦楽を共にしながら日本式経営をしっかり学んでいきます。
VJCCは引き続き、日越両国に資する経済人材の育成を推進していきます。